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グッドナイト&グッドラック
全く違う二つの「声」が対決する。マッカーシー上院議員とエド・マロー。番組の合間に流れるジャズを除けば、二人がそれぞれ自分の主張を語っているとき、場面を盛り上げるような余計な音楽は一切入らない。僕らは耳を澄まして、どちらの声が人の心を動かす強さを持っているか、感じ取る。

共産主義という「悪」を追求するマッカーシー議員の声(当時の映像がそのまま使われている)は、相手への攻撃性に満ちている。相手に敵、悪というレッテルを貼ることが、彼の議論の常套手段だ。レッテルを貼る根拠は、「軍部からの情報」だとか「FBIからの情報」だとか、あやふやなものばかりなのだが、圧力を恐れそれを直接追求するマスコミは少ない。確実な証拠なしに誰かを悪と決めつけるこの身振りは、やがて密告という形で全米に広まり、赤狩りの興奮と恐怖が全米を覆う。密告する側は独りよがりの正義感に酔いしれ、密告される側は他人の視線やささやきにすら圧力を感じる。

エド・マロー(デビット・ストラザーン)の声は、聞き手の感情を刺激し煽るのではなく、的確に事実、証拠を提示し、視聴者の理性に訴えかける。一定のトーンを常に保ちながらも、そこには強い意志の力が感じられる。番組で友人の自殺を伝えるとき、彼は泣いたり叫んだりすることはない。しかしそこに押し殺した強い悲しみがあることを、彼の低い声から聞き取ることができる。

マッカーシー議員がマローに対する自分の主張を語る。これはマローの番組だが、彼はそこに一切コメントを挟まない。一週間視聴者に考える時間が与えられた後、マローが反論する。告発された者を呼び出し一方的にレッテルを貼るマッカーシーの委員会でのやり方に比べ、これはフェアな手法だ。ただ、マッカーシーの議論は相変わらずあやふやな証拠に基づいたレッテル貼りで、次の週マローによって全部剥がされてしまう。マローは反論の間声を荒げることもないのに、その声はマッカーシーの声を圧倒している。

マローはスピーチの中でテレビの進んでいる方向に疑問を投げかける。テレビもマスコミも、マローが望んだのとは違う方向に進んでいるようだ。政治の世界にもテレビの世界にも、扇情的な声があふれ、討論場組でさえ、出席者と視聴者の感情を煽る手法がとられる。僕たちにはマローのような信頼できる理性的な声が必要だ。

グッドナイト&グッドラック 豪華版
グッドナイト&グッドラック 豪華版ジョージ・クルーニー グラント・ヘスロヴ デヴィッド・ストラザーン

おすすめ平均
stars贅肉ゼロ
starsジョージ・クルーニーさま
starsとにかくエド・マローが渋カッコイイ! 
starsグッドナイト&グッドラック

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この記事に対するコメント
こんばんは
TBありがとうございます。
昔の、異国の話ですが、今の日本にもマローのような人間が必要な気がしてます。
特に、一方的なバッシングなど、日本の報道のあり方を考えさせられますね。
【2006/05/21 23:31】 URL | カオリ #- [ 編集]


カオリさん
一つの方向に加熱し始めると誰もそれを止められないような雰囲気が、メディアにはありますね。マローは共産主義を養護しているわけではなくて、手続きの客観性と公平性を求めていて、この冷静さはこれからも必要とされるでしょうね。
【2006/05/22 00:36】 URL | fumiya #AKKjkRR6 [ 編集]

こんにちは
こんにちは
【2006/05/27 14:18】 URL | アガサ #- [ 編集]

間違えました
間違えてコメント送信してしまいましたi-201
すみませんi-229
TBありがとうございました。
私もTBさせて頂いた・・・つもりなのですが、やり方がよく判っていませんi-202
こういう、報道に対して真摯な姿勢でいる記者が現在の日本にどれくらいいるのか、疑問です。
私達はせめて、こういう作品を観、テレビから伝えられている物事の裏側を理解しようとしなければ・・・。
またお邪魔させていただきますねi-179
【2006/05/27 14:31】 URL | アガサ #- [ 編集]


アガサさん
コメントありがとうございます。僕たちは刺激の強い番組や記事を求める傾向があって、テレビや新聞はそれを反映しているとも言えますけどね。良質の番組がいい視聴率を取れれば一番いいんですが・・・現場の人たちも悩むところでしょうね。
【2006/05/27 17:38】 URL | fumiya #AKKjkRR6 [ 編集]


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「グッドナイト&グッドラック」   "Good Night, and Good Luck."

クレジットロールが果てたとき、思わず拍手したくなった。 MIWOのレタスなLOGBOOK【2006/05/20 13:26】

映画のご紹介(132) グッドナイト&グッドラック

ヒューマン=ブラック・ボックス -映画のご紹介(132) グッドナイト&グッドラック-アメリカの建前は日本の建前と違う。それは、当たり前だ。「アメリカ」に対するイメージは人それぞれだ。「自由の国」「正義の国」「一攫千金.... ヒューマン=ブラック・ボックス【2006/05/20 16:58】

グッドナイト&グッドラック

邦題: グッドナイト&グッドラック 原題:Good Night, and Goo Pocket Warmer【2006/05/20 23:33】

『グッドナイト&グッドラック』

熱いジャーナリズムにストレートに感動。エド・マローとジョージ・クルーニーの思いにうたれるばかり。“赤狩り”が横行するマッカーシズムの時代、権力と真っ向から対決した実在のニュースキャスター、エド・マローとそのクルーたちの6ヶ月間。-1953年、アメリカ。米ソ冷戦 かえるぴょこぴょこ CINEMATIC ODYSSEY【2006/05/21 00:32】

グッドナイト&グッドラック

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グッドナイト&グッドラック(05・米)

またもや行ってきました、歴史講座・資料&ワンドリンクつき・プレミアムナイト1000円。今回は、「ホテル・ルワンダ」のときよりも講座が1時間と長めだったので、すごく良く理解できました!私も高校時代に世界史はやってたんですが、やはり改めて聞くと違いますね。ロシア no movie no life【2006/05/21 23:27】

グッドナイト&グッドラック/Good Night, and Good Luck.

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グッドナイト アンド グッドラック

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グッドナイトアンドグッドラック

GOOD NIGHT AND GOOD LUCK.とはジョージクルーニーがデートした女性にいつも言う言葉…というのは、今年のアカデミー賞の司会者ジョンスチュワートが飛ばしたジョーク。ジョークを解説するほど野暮なこたぁないんだけど、英語のジョークなので一応解説を入れますと、GOOD LU シネマ日記【2006/05/23 13:51】

グッドナイト&グッドラック

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まずは言わせて下さい。「字幕考えろ!!モノクロに白の字幕では途中見えんわ!!」推測できたからよかったものの危うく「・・・?」状態になるとこでした。こういう時に英語が出来ない自分が恨めしい。内容は言わずと知れた「赤狩り」を推進したマッカーシー.... エミの気紛れ日記【2006/05/28 03:24】

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グッドナイト&グッドラック公開中ストーリー ☆☆☆☆映画の作り方☆☆☆☆総合評価 シネマ de ぽん!【2006/05/31 23:01】

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グッドナイト&グッドラック

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グッドナイト&グッドラック

自由と平等の国、アメリカ。そのアメリカの自由が、どうもこのところ怪しい...。9.11以来、テロへの恐れからくる疑心暗鬼に支配されてしまったような雰囲気さえ漂い、「自由の国」の意外な脆さが浮き彫りにされています。本作は、時代を第二次大戦後の冷戦時代に遡ります 日っ歩~美味しいもの、映画、子育て...の日々~【2006/06/27 07:04】

『グッドナイト&グッドラック』

みんなヘビースモーカーだ…。 なんでもreview【2006/07/01 09:03】

グッドナイト&グッドラック

2005年 アメリカ 2006年4月公開 評価:★★★★監督:ジョージ・クルーニ 銀の森のゴブリン【2006/12/26 18:36】

グッドナイト&グッドラック (Good Night, and Good Luck.)

監督 ジョージ・クルーニー 主演 デヴィッド・ストラザーン 2005年 アメリカ映画 93分 ドラマ 採点★★★★ 映画ばっか観ている私ですが、それで別に賢くなるわけでも殺人鬼になるわけでもありません。ただ一つだけ身をもって感じるのが、映像の持つ強大な影響力と、その反 Subterranean サブタレイニアン【2007/02/07 01:50】

『グッドナイト&グッドラック』

グッドナイト&グッドラック 通常版監督・脚本:ジョージ・クルーニーCAST:デヴィッド・ストラザーン、ジョージ・クルーニー 他ヴェネチア国際映画祭主演男優賞、脚本賞 他受賞STORY:1950年代、米ソ冷戦下のアメリカ。マッカーシー上院議員により共産党員を排除する Sweet* Days【2007/02/22 11:48】
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