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Kinetic Vision
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L change the WorLd
デスノートで描かれていたのは、デスノートという恐ろしい装置を中心に構成された世界であって、ノートに触れることで登場人物たちの人格、運命は変わってしまい、ストーリーはノートのルールに従って進んでいく。だから、デスノートはもう存在しない世界を描きつつ、なおかつ前作と同じ位の緊張感がある世界を描くためには(予告編を見たファンならそれを期待するだろう)、デスノートに匹敵する装置とその装置にとりつかれた悪役が必要なはずだ。

がっかりしたのは、この映画で登場するウイルスに厳密な定義が与えられていないということだ。科学的な定義という意味ではなく、映画に緊張感を与えるための定義。前作では、デスノートのルールは絶対的なものであり、ノートに名前が書かれた瞬間、勝負は決まる。ところが、このウイルスは感染してどれくらいで死ぬのか、ということがはっきりしないため、空港でのクライマックス、ワクチンが間に合うかどうかという、Lがジェット機に向かって走っていく場面にサスペンスが生じない。感染した悪役だけが都合よくすぐに死んで、他の客はのた打ち回って苦しんでいるがなかなか死なない、という状況では緊張感は生まれない。感染は体内で起こる現象だが映像で表現できるのは肌のぶつぶつくらいだし、感染の恐怖が広がる社会の描写も、前作で描かれたマスコミの暴走や一部の人々のキラへの熱狂に比べると、あまりにもあっさりしている。前半に感染した科学者が死ぬ場面をホラー映画のように撮っているけれど、ああいう描写よりデスノートにずらっと書き込まれた名前を見せられるほうがよほど恐ろしい。

さらに、悪役があまりにも薄っぺらで魅力に乏しい。昔なら漫画的などといわれたのかもしれないが、デスノートは少年漫画連載だったのだから、これは漫画以下と言われてもしょうがない。少年漫画の世界にも、善とも悪とも言いがたい夜神月のようなキャラクターが登場し、ハリウッド映画も悪役の描写にはかなり苦労しているのに、この単純さでは満足できない。登場していきなり人を刺したからといって、恐ろしい悪役に見えるわけではない。さらに前作との比較で言うと、ミサや女性ニュースキャスターなどノートに触れて一線を越えてしまった女性たちが妙に色っぽく撮られていて存在感があったのに比べると、テロリスト側にいる女性二人にそういう魅力は感じられなかった。女優を撮るのが好きな中田監督らしくないと思う。FBI捜査官にお笑い芸人を使うことに関しては、台湾、香港で知られている芸能人を出す(昔ビビアン・スーと歌を歌っていたからか)ということ以外、理由が思いつかない。いつ人が死んでもおかしくない、という緊迫感が最低限この作品には必要だと思うのだが・・・。

一方、デスノート後編で特に際立っていた松山Lの魅力を引き出すという点では、この作品は成功している。猫背で奇妙な動き方をして、お菓子ばかり食べている、という彼の魅力的なところは今作でも見られるし、Lとワタリ、Lと子供たちの描写はLから新しい魅力を引き出してもいる。ただ、前作で見せていた頭脳戦でのクールな魅力はあまり見られないが、これは悪役の設定のほうに問題がある。こういう、人間ドラマで人の表情をじっくり写す部分は中田監督はうまいと思う。特に子供たちとLとの擬似家族が構成され、だんだん少女(福田麻由子)が母性的な表情を見せるようになるところや、Lが子供たちに対して保護者のような表情を浮かべるようになる場面の描写はとてもよかった。

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人のセックスを笑うな
タイトルの英訳Don't Laugh at My Romanceが表すように、片思いのロマンスというのは、本人にとってはとてもせつなく、傍から見ているととてもこっけいだ。子供同士がふざけあうようにしゃべっている美術学校の仲良し三人組の前に、一人の無邪気で奔放な小悪魔が現れ、三人はそれぞれ好きな人に手が届かないというせつない思いをすることになる。

一人のときも男性といるときもぱっぱと服を脱いでいくゆりちゃん(永作博美)に対して、モデルを頼まれたみるめ(松山ケンイチ)は裸になるのが恥ずかしくて上半身を抱えて小さくなっている。人妻が若い男性を誘惑する話なのに、ゆりにはずるい計算とか隠蔽とかそういう暗いところがなく、この子に触れてみたいという単純な欲望だけがあって、いつもマイペースであっけらかんとしていて憎みようがなく、だからこそある意味一番すごいファム・ファタールといえるのかもしれない。みるめのほうはハート型のライターを渡されたときから子犬のように彼女の後ろをついて歩いていて、それがこっけいでせつない。二人が自転車に乗っているところとか、キスをしながらふざけあっているところとか、すべてがすばらしい。

ある意味、みるめ以上に切ない想いをしているのがえんちゃん(蒼井優)だ。自分のほうを振り向いてくれないのに、みるめのことが気になって世話を焼いている。女の子っぽいことをすることに自分で照れてしまうような女の子で、照れくさいときには相手をばんばん叩いたりしてしまう。酔っ払ってベッドで寝てしまったみるめの上を反復横とびでぴょんぴょん跳んでいるところは、とてもおかしくて、とてもせつない。

もう一人せつない想いをしているのが堂本(忍成修吾)で、彼もえんちゃんが振り向いてくれないことはわかっているけど、ずっと気になってフォローしている。結局他の二人は自分自身切ない思いをしているけれど、自分を大事に思っている人がそばにいることには無頓着だ。けれど堂本には最後にちょっといい場面があって、そのときの蒼井優の反応が本当にあわてているのでおかしい。


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夜顔
冒頭、クラシック音楽の演奏会の場面で、ユッソンは知り合いの女性を見つけるのだが、このときの早く話しかけたくてそわそわしているところや、演奏会が終わり彼女に逃げられた後、名残惜しそうに会場の前をうろうろしている名優ミシェル・ピコリの様子がとてもチャーミングで楽しい。ディナーのときに彼女がやってくるのを部屋をうろうろしながら待つ時、ついに彼女が入ってくる時、胸を高鳴らせていることが見ているこちらにも伝わってくる。

ただし、クラシックの演奏会に出たり、個室でキャンドルの明かりを頼りにコース料理を食べるブルジョワの彼らは、性的な話を語っていても娼婦が店に現れても、洗練された文化的生活の枠から出ることはない。映画の宣伝に出てきた欲望とか秘密といった言葉から、なにか過激な描写や激しいメロドラマを期待していた人や、テレビやハリウッド映画の次から次へと画面が変わるせわしないリズムに慣れている人は、このゆったりした洗練された身振りに退屈するかもしれないが、ここで描かれているのは経済的にも文化的にもとても贅沢な生活だ。

人妻の秘めた欲望というようなどろどろした主題が直接描写されるわけではなく、初老の老人が若いバーテンダーに話すうち明け話として語られる。男性が未亡人に異性として興味をもっているように、店にいる娼婦らしき女性たちは彼を魅力的な異性としてみているが、彼女たちと男性の間に何が起こるわけでもなく、娼婦の仕事が直接描かれるわけでもない。性的な内容はおしゃべりの主題としてのみ映画に登場する。

ユッソンと未亡人セブリーヌのディナーの場面では、過去の衝撃的な出来事について「語られる」が、描写されるわけではない。セブリーヌは今では欲望を完全に内に押さえ込んでいる上品な印象の女性として登場している。性は文化的な生活の背後にあって、直接スクリーンに写されず、初老の登場人物たちは若いころのように欲望でぎらぎらしているわけでもない。それでも、この映画は欲望を主題にした映画で、画面上には官能的な気配が漂っている。

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