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| プロフィール |
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Author:fumiya
30代。独身。眼鏡。超短髪。あごひげ少々。映画館に通うのが趣味。コメントやトラックバックはお気軽に。
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| ボーン・アルティメイタム |
追うものと追われるもの、監視するものとされるものの息詰まる攻防が、冒頭から最後まで緊張感を切らすことなく続いていく。盗聴システムや監視カメラを使用して、組織の力でボーンを追うCIAと、並外れた洞察力と運動神経で危機を乗り切っていくボーンの対決は見所十分だ。手持ちカメラを使った肩越しの映像が多く、追うものと追われるものの視点がめまぐるしく交錯する編集の仕方は、見ていて疲れるところもあるけれど、緊迫感を出す効果は十分にあげている。
リアリティを優先するか、映画のテーマや面白さを優先するかに関して、面白いシーンがある。前作同様、CIAの建物はガラス張りで隣の建物にいるボーンから丸見えになっている。この設定は、リアリティという観点から見ると弱点になるのだが、監視しているはずの人間が逆に出し抜かれて監視されているという、この映画の面白さが凝縮されたシーンになっていて、前作以上に痛快なやり方でCIAは出し抜かれる。
観客に対して必要最小限の説明だけで進んでいく、無駄のない演出もすばらしい。特にすばらしいのは、ボーンとニッキーが余計なセリフのやりとりや説明もないまま、ごく自然に共犯関係に入っていくところだ。二人の俳優が互いを見つめるときに醸し出す寡黙な色気が、画面に満ちている。ボーンの記憶には残っていないが、過去に二人は恋愛関係があったらしいことが、ニッキーの短いせりふ(あなたといっしょにいるのはつらかった。あなたはすべてを忘れていたから・・・)で暗示されるが、それでいて、二人は恋愛関係にまでは入っていこうとしない。二人は感情をうちに秘めたまま、生き残るために別々に行動することを選択する。前作までは脇役だったニッキー役のジュリア・スタイルズが、この映画では主役級の存在感を見せていて、映画の最後に見せるニヤッとした表情がいい。
マット・デイモンが持つ寡黙な色気が一番発揮されている映画で、観客はニッキーだけでなくパメラ・ランディ(ジョアン・アレン)がボーンに味方するという事態を当然のこととして受け入れてしまう。そこに余計な説明はなく、無理に恋愛感情を表現するような演出もない(あったら緊張感を台無しにしてしまうだろう)。オーシャンズ・シリーズのおどけた三枚目の役柄からジェイソン・ボーンまで、演じる役の幅広さには驚かされる。
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| ALWAYS 続・三丁目の夕日 |
前作同様、泣けるエピソードを巧みに組み合わせて構成されている。そして各エピソードは心に残る小道具を中心に組み立てられている。前作では母の縫った継ぎ当て、万年筆、空の指輪入れなどが琴線に触れる要素になっていて、作品世界全体は建築途中の東京タワーが象徴していた。今作で新たに加わったキャラクターにも色んな小道具が用意されていて、鈴木オートに居候することになった女の子には、色鉛筆セットやあかぎれ防止のクリームなどが用意されている。一方、集団就職でやってきたが仕事を辞めてしまった青年のエピソードの印象が薄いのは、印象に残る小道具があまり出てこないからかもしれない。
前作から観ている人にとってもっともドラマ性の高いエピソードは小説家の茶川と踊り子ひろみのエピソードだろう。ここでは彼の小説の載った文芸誌がドラマを盛り上げる小道具として登場している。預かっている子供の実の父親は実業家で、現実は虚構のように甘くはないと正論を言い放つが、この正論に、彼の小説は勝利する。ここでの勝利とは賞金が手にはいるとか世間から認められるといったことではない。この小説は多くの人に認められる偉大な作品というより、一人の女性にあてたラブレターなのであって、一人の女性の運命を変える力を持っている。だからこの小説は幸運な現実を招き寄せる力を持っているのであって、たかが虚構とみくびっていた現実主義の実業家は負けを認めて去っていくしかない。この作品で最も観客の涙腺を刺激するのは小雪の泣きの演技かもしれない。
ほとんどの主要キャラクターに泣けるエピソードが用意されていて、テレビなど印象的な小道具の多かった前作に比べると、ちょっと物足りないかもしれないが、前作が好きであの場所に戻ってきてあの家族たちと再会したいという人には十分満足できる映画になっている。
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| グッド・シェパード |
キューバ危機の時代である現在と、第二次世界大戦前夜の過去が交互に語られ、過去は徐々に現在に近づいていく。一人の男がスパイとして生きてきた半生、スパイを父に持った息子、スパイを夫に持った妻の物語が過去のパートで語られていき、現在のパートで提示される写真とテープの謎に結びついていく。
アメリカ合衆国を支える男性エリートたちの秘密結社が最初に描写され、その特異な雰囲気に驚かされる。男性たちがあえて仲間の前で恥をさらし、秘密を打ち明け、結束を強めていく。結婚した後でも、妻はこの秘密に近づくことができない。後で聴覚障害の女性が語るように、主人公にはもっと違う静かな人生があり得たはずなのだが、ちょっとしたきっかけが大きく人生を変えていくことに恐ろしさを感じる。
誰を信じたらいいのか分からない、誰から見張られているか分からない、リアルな諜報戦が描かれている。拷問の様子を冷静に見つめ続けるマット・デイモンの表情が恐ろしい。ソ連との諜報戦はやがてCIAの仕事についた息子にも及んでいく。国家への忠誠と家族への愛情は両立しないのだろうか。教会の前で泣き崩れる妻と息子、まだ荷物が運び込まれていない、CIA本部の巨大で空虚な空間、そして表情を失ったような主人公の顔を見たとき、主人公は長年の苦闘の末に何を手に入れたのかと、考えさせられる。
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