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30代。独身。眼鏡。超短髪。あごひげ少々。映画館に通うのが趣味。コメントやトラックバックはお気軽に。

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Kinetic Vision
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バベル
国境を挟んだコミュニケーションの齟齬。日本人(役所広司)から感謝の印としてモロッコ人に贈られた一丁のライフルは、山羊飼いの一家に売り渡され、結果的にアメリカ人女性(ケイト・ブランシェット)を重体に追い込み、山羊飼い一家に破滅をもたらす。国境を越えて手渡された一丁の銃が、贈呈者の予想もつかない悲劇をもたらす。息子の結婚式に出席するメキシコ人女性(アドリアナ・バラッザ)は、結果的にアメリカで得たものすべてを失うことになる。そこに国境線がなければ、どうということのない外出だったはずなのに、彼女は犯罪者にされてしまう。雇い主のアメリカ人夫妻が無理な要求をしなければ、彼女は夫妻の子供を連れて出かける必要もなく、検問で止められることもなかっただろう。狙撃されたアメリカ人女性と彼女の夫(ブラッド・ピット)は救急車の到着を待つが、事件自体が国際問題に発展し、救援はなかなかやってこない。アメリカ人観光客は現地の村人たちをテロリストのように恐れ、報道もテロリストの犯罪と報じる。

家族間の齟齬が、この悲劇に拍車をかける。モロッコの山羊飼い一家は、子供たちの間に齟齬があり、親はそれに気づいていない。兄弟間の諍いが結果的に銃撃事件を起こしてしまう。アメリカ人夫妻は子供の死を乗り越えられず互いを許し合えない。彼らは子供たちをメキシコ人乳母に任せ旅行に出かけており、子供たちは留守中に砂漠をさまようことになる。ヤスジローの妻は自殺し、娘(菊池凜子)は愛情に飢え、夜の街を彷徨する。娘は耳に障害があり、彼女の周りに対する苛立ちと孤独は深い。

世界各地でコミュニケーションはバベルの塔のように崩壊しつつあるのだろうか。しかし、この悲劇にも救いはある。アメリカ人夫妻の世話に尽力するモロッコ人通訳と村の老婆。メキシコの風習に最初は戸惑いながらも次第にとけ込んでいくアメリカ人の子供たち。モロッコ人の父親は息子たちをかばおうとする。アメリカ人の父親は子供たちに電話をする。日本人の父親は娘を抱きしめる。メキシコ人の母親は息子に抱きしめられる。アメリカ人夫妻はやり直していくことを誓う。コミュニケーションを回復しようとする試みが、世界中で行われている。

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ロッキー・ザ・ファイナル
ロッキー(シルベスター・スタローン)には、フィラデルフィアのあの貧しい下町がよく似合う。色あせた看板、電球の切れかかった街灯、古い建物、人々の服装・・・。エイドリアン(タリア・シャイア)を思い出しながら街を歩く場面では、シリーズを重ねるごとに英雄になっていったロッキーとその妻エイドリアンが、かつては貧しく孤独な生活を送っていたということを、観客に思い出させてくれる。現在ロッキーが経営するレストランには、貧しく不器用な人たちが集まってくる。精肉工場で働く口の悪いポーリー(バート・ヤング)、かつてロッキーがKOした元ボクサースパイダー、1作目に不良少女として登場し、今は母子家庭で暮らしているマリー(ジェラルディン・ヒューズ)とその息子、しょぼくれた外見の雑種犬パンチー、厨房では移民たちの外国語が飛び交っている。60代になり、ロッキーはいまやそういう人たちを優しく見守る存在になっている。マッチョなヒーローとしての側面が強調されがちなロッキーだが、哀愁漂う優しさが本来の彼の魅力だ。今回はトレーニングシーンも案外短く、人間ドラマの方に重点が置かれている。

若い人たちとの関係も、今作の重要なテーマになっている。有名人の息子といわれることに耐えられず、父親と疎遠になっている息子ロバート(マイロ・ヴィンティミリア)。定職に就かずにぶらぶらしているマリーの息子ステップス(ジェームズ・フランシス・ケリー三世)。ロッキーは彼らにお節介と思えるほど関わっていこうとする。かつてロッキーは老トレーナーミッキーに色んなことを教わってきたが、今度はロッキーがどこかひ弱な彼らに教える側に立っている。無敗の現役世界チャンピオンディクソン(アントニオ・ターヴァー)との戦いも、モンスターのような相手との戦いというよりも、むしろ挫折を知らない若いチャンピオンにレッスンを与えるような試合になっている。今までのシリーズで戦ってきた相手と比べると物足りないと感じる観客もいるかもしれないが、世間の評判を気にするひ弱さは、ロッキーの息子ロバートのひ弱さと共通している。ここにも、マッチョな側面よりもテーマ性を重視する今作の特徴が出ていると思う。

憎しみを込めて因縁の相手を殴り倒すというよりも、自分自身を証明するために戦うロッキーは、1作目と同じ位置に立っている。試合が終わった瞬間、勝敗がまだ告げられていないにもかかわらず、彼は満面の笑みを浮かべる。試合の勝敗に関係なく、嘲笑する世間に対して彼は戦い、勝ったのであり、彼はマリーのような世間から傷つけられることの多い人々にとってのヒーローなのだ。

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ブラッド・ダイヤモンド
冒頭から、銃の引き金を引くこと、鉈で手足を切断することに躊躇しない世界が描かれ、ぞっとさせられる。さらに重い気分にさせられるのは、そこに少年兵がいるからだ。少年たちから人間性を奪う訓練の様子もかなりリアルに描かれている。アフリカでダイヤが採掘され先進国の市場に並ぶまでになにが起きているのか、娯楽映画の枠組みの中で的確に分かりやすく描かれている。先進国で売られるダイヤモンドのために、アフリカ人同士が激しく殺し合い、そこに白人の傭兵やヨーロッパの大企業が絡んでくる。内戦が長引けば長引くほど利益を上げる連中がいる。

バックグラウンドの異なる三人の主人公が設定されていることも、状況を的確に伝えるのに役立っている。ジャーナリストのマディ(ジェニファー・コネリー)が時々口にするのは、自分の仕事が状況を改善することにつながらないことへの苛立ちだ。記事を読んで誰か助けに来てくれるのかと聞かれ、彼女は誰もこないと答える。漁師ソロモン(ジャイモン・フンスー)が少年兵として奪われた息子を奪還できるかというエピソードは、この映画をサスペンス豊かなものにしていて、同時に少年兵の問題を訴える役割も果たしている。アフリカ育ちの白人ダニー(レオナルド・ディカプリオ)は、元傭兵として躊躇なく人を撃つことができ、密輸業者として平気でウソをつくことができる。刹那的な態度の裏には、悲惨な過去によってできた心の傷があり、訓練された動きで迷わず人を撃ちながらも、まだその内に人間性のかけらを残している。ディカプリオはこの複雑な人物を見事に演じている。彼の銃撃戦での鋭い動きのおかげで、この映画はアクション映画としても十分質の高いものになっている。

ダイヤモンドより平和がほしい―子ども兵士・ムリアの告白
ダイヤモンドより平和がほしい―子ども兵士・ムリアの告白後藤 健二

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