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30代。独身。眼鏡。超短髪。あごひげ少々。映画館に通うのが趣味。コメントやトラックバックはお気軽に。

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Kinetic Vision
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ドリームガールズ
前半は主人公たちが成功していく様子を、後半は成功が仲間たちの人間関係を蝕んでいく様子を描いている。前半までは王道のサクセスストーリーで、モータウンミュージックに乗せてテンポ良く進んでいく。後半は歌手たちの脇を固める助演俳優たちの演技が光る。本来歌がうまいジェイミー・フォックスが、今回は周りの歌手を引き立てる受けの演技を見せている。また、老マネージャー役のダニー・グローバーもいい。

R&Bという言葉をはっきりしたイメージも持たずになんとなく使っている多くの日本人にとっては、教科書的なミュージカルになっている。ソウルミュージックに対して黒人たちが持っているプライド、白人歌手たちに成果を横取りされてきた歴史・・・。豊かな声量をあえて抑え気味にして、軽いダンスビートに合わせて歌うことは、黒人たちにとっては白人への迎合を意味する。「俺の曲からソウルを抜き取る気か」「俺のソウルは殺せない」・・商業的に成功すればするほど、彼らは自分たちの魂が抜き取られていくような感覚に陥る。ワン・ナイト・オンリーの二つのヴァージョンは、日本人にとってはただテイストの異なる二つの曲に過ぎないが、それは黒人たちがアメリカ社会で成功するために払ってきた犠牲と迎合の歴史を表している。 この問題は今でも存在している。整形するたびに白人に近づいていくマイケル・ジャクソンも、ジャクソン5時代にはモータウンにいて、さらなる成功を目指してエピックに移籍していった。昔も今も、アメリカ社会で成功することは白人に受け入れられることが重要であることに変わりはない。

この映画にはアメリカ社会ですでに成功している黒人俳優や歌手が出演している。ビヨンセ、エディ・マーフィー、ジェイミー・フォックスにとって、ある意味これは彼ら自身の苦悩の物語なのかもしれない。そしてテレビのオーディション番組で全国的に有名になったばかりのジェニファー・ハドソンはこれから成功への道を歩もうとしているのだが、彼女にもまた先輩の黒人スターたちが味わってきた苦労が待ちかまえているのだろうか。

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バブルへGO!! タイムマシンはドラム式
テレビであろうと映画であろうと、誰が監督であろうと作品の出来がどうであろうと、阿部寛の出演しているコメディはいつも楽しい。現代日本経済の不況に苦悩する、暗い表情をした財務省の役人と、バブル時代、女遊びに浮かれている軽薄な大蔵省のエリート、同一人物の過去と現在を対照的に演じてみせるくらいは、様々な役を演じているこの人にとっては楽なことかもしれない。さらに、映画の終盤、軽薄な表情があることをきっかけに責任感のある頼れる男の表情に変わっていくところは、映画の見所になっている。

共演する女優といつもうまく呼吸を合わせて演技できるのも、彼の強みだ。TRICKでは仲間由紀恵、結婚できない男では国仲涼子、高島礼子、夏川結衣、年齢もタイプも違う女優と息のあった楽しい演技を見せてくれていた。そして今回は広末涼子、薬師丸ひろ子、吹石一恵、伊藤裕子との面白い駆け引きが見られる。

水着を着ていると学生に見える童顔の広末と阿部の組み合わせは、恋人関係にも見えるし親子関係にも見えるので、今回の設定にはぴったり。何度も口説こうとしたり、ある事実を知ったことをきっかけに急に責任感に目覚めたり、二人の距離感が変わっていくところは面白い。

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海でのはなし。
親との関係は、時に人を呪縛する。真面目な父親と優しい母親の元で育ってきた楓(宮あおい)は、自分の家族の秘密を知り、衝撃を受ける。自分が汚れた存在になってしまったような感覚に、彼女はとらわれる。親と子はそれぞれ別の人間だと頭では分かっていても、そう簡単に親を客観的に突き放して考えることはできない。親の汚れは彼女自身の汚れのように思える。家庭は、もはや彼女にとって安心できる場所ではなくなり、その後、映画では彼女の家族は画面上に登場しない。ショックを受けながらも、彼女は家庭の外に居場所を求めようとする。つまり、好きな人の側に。

大学に勤める博士(西島秀俊)は、他人と距離をとって生きている。彼は自分を冷たい人間だと思っているが、それはエゴイストの両親との関係に疲れた彼がとる防御的な姿勢に過ぎない。両親への愛情が両親を更生させることができないことに、彼は傷ついている。楓が自分に向けている感情に気づきながらも、彼は自分自身を両親も愛せない愛情の薄い冷たい人間だと思い、彼女のほうに一歩歩み寄ることができない。

母親との口論に絶望し、研究室で彼が横たわる場面は、この映画で最も心に刺さる、痛ましい場面だ。そして、傷つき、孤独に横たわる彼が映し出され、画面右から楓の脚が近づき、彼の横にしゃがみ込む場面は、セリフが全くないにもかかわらず、二人の傷ついた魂の動きが感じられるすばらしい場面になっている。

映画中何度かパスカルの言葉が博士の好きな言葉として登場するが、自然の中で最も弱いひとくきの葦という言葉がもつ、細く、折れそうになりながら耐えているイメージが、この二人にはふさわしい。そして人間を押しつぶそうとする宇宙、というパスカルの言葉に対応するように、二人の背後には海があり、波の音が聞こえる。海辺で互いを支え合う、二本の葦。 劇中ほとんどずっと流れているスピッツの歌詞のように、二人は呪縛から逃れ、「誰もさわれない二人だけの国」にたどり着いたのだろうか。

海でのはなし。 フィルムブック
海でのはなし。 フィルムブック大宮 エリー

おすすめ平均
stars静寂
starsある意味中身の濃い本

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